お出汁ってそもそも何?|基本のお出汁の種類について

こんにちは。

お出汁が大好きすぎる
おうちお出汁研究家の峰村咲子です。

美味しいごはん作りにはお出汁が大切、
ということはなんとなくわかる。
料理本やネット検索のレシピでもお出汁というワードを必ず見る。

でも、お出汁ってそもそも何なんだろう。
昆布を使うことがお出汁なの?
そこにかつお節も合わせたらいいの?
お出汁って・・・なに?

という、ふとした疑問を感じたことはありませんでしょうか。


美味しいごはんを作る上で
お出汁が大切だということはなんとなくわかるけど、
お出汁って何なんだろう、
どんな食材を使うのが正解なんだろう。

いざ料理を頑張ってみよう!と奮起して
お出汁を引こうとしてみても、
そもそもお出汁が何なのかわからず
やる気がなくなってしまいますよね。

美味しいごはん作りをする上で
最初の壁となるのがお出汁です。

お出汁と聞くと、なんだかハードルが高い印象ですよね…!


ということで、
まずはお出汁についてザっと知っておきましょう!

こちらの記事では基本のお出汁の種類についてお伝えいたします。

これを読むと、
・お出汁とはなにか
・日本で使われている基本のお出汁の種類

がわかります。

では、さっそくご紹介いたしますね!

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目次

まず、お出汁とは?

お出汁とは、まず具体的に言うと、
食材を水に浸したり煮出したりして食材のうま味が溶け込んだ液体のこと。

うま味というのは
出汁の味、濃さを決める味覚成分と思ってください!

昆布を水に浸けると
昆布のうま味が溶け出した昆布出汁になり、
鶏の骨をくつくつ煮込むと
鶏のうま味が溶け込んだ鶏ガラ出汁に。

食材の持つうま味成分が水やお湯に
溶け出すから味のある液体になるんですね。

で、ほとんどの食材はうま味成分を持っているので、
お出汁はどんな食材からも引くことができるのです。
(海藻、野菜、きのこ、魚介、肉、など)

ただ、うま味成分を持つ量が食材それぞれ違うので、
食材ごとにお出汁の出具合が違ってきます。


つまりお出汁というのはうま味を知り、
そのうま味成分を引き出せるかが大切ということ。


日本で美味しく引ける代表的な出汁素材は4つ。
昆布、かつお節、煮干し、干ししいたけです。

この4つの食材は他の食材と比べると
うま味成分が桁違いに含まれており、
美味しいお出汁を引くことができます。

昔の人はなぜそれをわかっていたのか…先人の知恵は本当に偉大ですね…

出汁ってなんで必要?

「出汁が昆布や鰹節のつゆなのはわかったけど
なんで出汁って必ず使わないといけないんだろう」

って疑問をまだお持ちだと思います。

その答えについては私の考えになりますが…、

お出汁ってなぜ大事なのかというと、

出汁は美味しさのベース・土台となるからです

「味の表現はしにくいんだけど、
なんか味わい深くて、うなるほど美味しい」
これを生み出すのが出汁です。

ラーメン、うどん、蕎麦もそうだし、
毎日のお味噌汁の出汁をちょっと変えるだけで
家族から「あれ?今日の味噌汁なんか美味しい」
って気づいてもらえたり…。

出汁という美味しさの土台をしっかりさせたら
必ず美味しい料理は作れます。

私たちが美味しいと感じる味覚ってうま味なんですよ。

もちろん砂糖などの甘味も美味しいと感じますが、
料理で使う醤油・味噌・塩などは塩味です。
(醤油や味噌はうま味もあるんですが出汁に比べると少ない)

だから、水に醤油を足しただけでは美味しくないけど
出汁といううま味がぎゅっと詰まった液体に醤油を入れたら
ぐんと美味しくなるんです。
(料亭のお吸い物とか、茶碗蒸しとか!)

水と醤油でも代わりのきかない、
必要不可欠な美味しさのベースが出汁です。

で、その出汁は野菜とか牛骨でもいいけど
日本にはうま味含有量の多い昆布と鰹節とかががあるよ!ってことなんです!

では次に、それぞれの素材についてご紹介しますね。

昆布

お出汁を引くうえで、一番大切なのが昆布。

昆布はどんな食材とも相性がいいので、
お出汁を引くときは必ずと言っていいほど使います。

なぜ昆布が重宝されるかというと、
昆布が持つうま味成分の含有量は他の食材と比べ
群を抜いて1位だから。


うま味がダントツでたくさん詰まっているので
お出汁にすると美味しいんですね。

昆布ってなんにでも合うし、本当にすごい食材なんですよ…!



下の表は昆布のうま味成分「グルタミン酸」の含有量を示す表です。

引用元:特定非営利活動法人 うま味インフォメーションセンター


昆布は大きく分けて4種類あるのですが、その中でも一番高い含有量は2000mg以上。

他の食材と比べると、ダントツなのが一目瞭然です。

↓ 下の表は野菜類のグルタミン酸が含まれている量。

引用元:特定非営利活動法人 うま味インフォメーションセンター

↑同じグルタミン酸を多く含むとされているドライトマトでも1000mg前後。


下の表は発酵調味料のグルタミン酸含有量です。

引用元:特定非営利活動法人 うま味インフォメーションセンター

↑味噌や醤油などの発酵調味料もうま味成分が多いのですが、昆布には及びませんよね。


このようにほかの食材とうま味の量を比べると
昆布にはうま味成分がたっぷり含まれているから、
昆布出汁は美味しいし重宝されるんですね。

お出汁の代表格は昆布!と覚えておきましょう♪

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かつお節

続いてはかつお節。

かつお節とは、カツオを3枚におろしたものをお湯でくつくつ煮たあと、骨を抜いて燻したもの。
さらに種類によっては燻したカツオにカビをつけて発酵させたりもします。

かつお節は出来上がるまでにとっても手がかかるんですよ!


レシピなどに書かれている「出汁」というのは、
基本的には昆布とかつお節の合わせ出汁のこと。

かつお節もうま味成分がたっぷりなので、
昆布と合わせるととっても美味しいんです。

だしパックなども基本は昆布とかつお節の合わせ出汁ですね!
昆布×かつお節は王道の和食出汁と覚えておかれてください^^



下の表がかつお節のうま味成分の含有量。

引用元:特定非営利活動法人 うま味インフォメーションセンター


かつお節はイノシン酸と呼ばれるうま味成分がたくさん含まれています。

イノシン酸は昆布に含まれるグルタミン酸と相性がいいので、合わさると一段と美味しくなるんですよね。

それをうま味の相乗効果というんですが、
それぞれ違ったうま味成分が合わせるとグッと美味しくなります。

昆布出汁だけで飲んでもそこまで美味しくないけど、かつお節と合わさると一気に美味しいお出汁になりますよね!それが相乗効果です♪

その相乗効果があるから、一般的なお出汁は昆布とかつお節の合わせ出汁なんです。

ちなみにグルタミン酸は昆布のほかにも
ワカメや野菜類にも多く含まれているので、
お味噌汁などを作るときはかつお節だけでも十分美味しくなりますよ。

かつお節出汁は単体でもとっても使いやすい♪


忙しくてお出汁を丁寧に引く時間がない!という日は、
ぜひかつお節だけのお出汁を活用してみてください。

煮干し(いりこ)

かつお節についでうま味成分が多い魚介類が煮干し。

地域によってはいりことも言いますね。

煮干しとは主にカタクチイワシを煮て干したもの。

ちなみに、あご出汁に使われるあごはトビウオのことです!
顎(あご)が落ちるほど美味しいからその名がついたとか…

一般的なお出汁は昆布とかつお節という印象ですが、
煮干しと昆布のお出汁もとっても美味しいんですよ。

うま味成分もかつお節と同じくらいイノシン酸が含まれています。

昆布と一緒に水に数時間浸しておき、
あとは火にかけて煮出すだけでお出汁が引けてしまうので、
実はお手軽なお出汁なんですよね。

煮干しは漉すのも楽ちんです♪


魚介のうま味が強いので、ラーメンやそばつゆなど濃いめのつゆ作りに使うのもおすすめ。


煮干しはそのまま水に浸けても大丈夫ですが、
できれば頭とはらわたを取ったほうが臭みのない出汁になります。

頭とお腹にある黒いかたまり(はらわた)を取るだけなので簡単です♪

実はお手軽な煮干し出汁、たまにはぜひ取り入れてみてくださいね。

干ししいたけ

最後は干ししいたけ。

主に動物性の食材を使わない精進料理に使われますが、
中華料理を作るときにも加えると美味しくなります。


干ししいたけは生のしいたけを干したものですが、
干すことによってうま味が段違いに増えるんです。


下の表が干ししいたけのうま味成分の含有量。

引用元:特定非営利活動法人 うま味インフォメーションセンター

干ししいたけはグルタミン酸も多いですが、
グアニル酸といううま味成分を持っているのが最大の特徴。


グアニル酸を含む食材は少なく、
ダントツで含まれているのが干ししいたけ。

ほかには松茸やポルチーニ茸だけにも含まれているんですが、おうちではあまり使わない食材ですよね。


それぞれ違ううま味成分が合わせると
グッと美味しくなる(相乗効果)とお伝えしましたが、
グアニル酸があるから精進料理も美味しくなります。

昆布のうま味(グルタミン酸)と干ししいたけのうま味(グアニル酸)が合わさるからですね!



野菜料理が美味しくないと感じる理由は、このうま味の相乗効果ができていないからです。
そんなときのお助け食材が干ししいたけなんですね♪


また、先ほどのうま味成分の表を見ると
生の干ししいたけにはグアニル酸は含まれていません。
干すことによってうま味成分が格段に増えるんですね。

お出汁の観点から言うと、生のしいたけと干ししいたけは全くの別物なんです。

うま味の含有量を見ると干ししいたけのすごさがわかりますよね!


干ししいたけ出汁の取り方も簡単で、
冷たい水にポンっと入れるだけ。
とっても簡単に料理に取り入れることができます。

ただ、干ししいたけ出汁の味は
「THE 干ししいたけ!!」
という感じできのこの風味がかなり強いです(笑)
なので、他のお出汁と合わせて使うほうがより美味しくなりますね。

昆布出汁だけでなく、トマト料理に合わせても美味しいですよ♪

野菜だけの煮物を作るときや無添加で作る中華料理などにおすすめです。

作る料理によって、ぜひ干ししいたけ出汁も取り入れてみてくださいね。

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まとめ

お出汁とは何か、
という疑問がスッキリしたでしょうか^^

お出汁とは、食材のうま味が溶け込んだ液体のこと。

日本の代表的な出汁素材は
昆布、かつお節、煮干し、干ししいたけ。

それぞれのうま味成分が多いこともわかりましたね♪

まずはぜひ王道の昆布とかつお節のお出汁から、
おうちで引いてみてくださいね。

お出汁さえ美味しく引ければ、
あなたのごはんはたちまち美味しくなる。

ぜひ毎日の暮らしにお出汁を取り入れて、
みんなに喜んでもらえるごはんを作りましょう。

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お出汁を引く上で大切なのは、
温度や煮る時間だけでなく
そのときの環境や素材の状態によって
引き方を変えること。


ぜひお出汁の本質と基礎を学び、
おうちで美味しいお出汁を引けるようになりましょう。

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